聖書の中には奇跡の話がよく出てきますが、その一つに「水がぶどう酒に変わる」という話があります。婚礼でぶどう酒が足りなくなった際、イエスの言葉に従って給仕が水がめのふちまで水を満たしたところ、良いぶどう酒に変わったというものです。
この「いっぱいにする」という行為は、とても深い意味を持っていると思います。精一杯限りを尽くして限界に近づくことで、それまで見えなかったものが見え、感じなかったことが感じられ、視野が広がることは、誰にも起こり得ることではないでしょうか。
実際に私は大学で、水がぶどう酒に変わるのを度々見てきました。学生の皆さんが自分の可能性を信じ、限りを尽くして何かをやり通すとき、顔や姿がそれまでと全く違って見えるのです。努力し成長するというのは本当に素晴らしいことです。
和歌山信愛大学では、学生と先生が二人三脚で頑張り、毎日少しずつ努力と工夫という水を注いで、一人ひとりが持っている能力を開花させていきます。全員が、しなやかで強く、優しい教育者に成長し、社会に貢献されることを心から願っています。