2025年2月2日(日)本学にて、第2回日台美術教育実践研究交流会が「創造性教育としての美術教育の課題と展望−日台の実践教育研究を通して−」をテーマに開催されました。台湾からの参加者9名を含めて北海道、滋賀県、兵庫県、大阪府、奈良県、そして和歌山県の各地から幼保、小、中、大学等多様な校種の教員、本学の学生など約60名が参加しました。冒頭に主催のわかやま子ども学総合研究センター長の大橋功教授と中華民国児童美術教育学会副理事長の呉正雄氏による共同基調提案が行われました。STEAM教育をはじめ、多様で不確実な時代において求められる創造性の育成という視点から美術教育・造形表現教育の現在を実践的に検討することの重要生が指摘され、とりわけ、作品の完成をめざし、その技量の巧拙を競うような古い美術教育を払拭し、「問い」を生み、その問いを創造的に探究する資質・能力としての創造性を育成する教育への転換について提案されました。
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引き続き、台湾から2件、日本から2件の実践研究報告があり、とりわけ、台湾では、こうした視点からコンテンポラリー・アートに着目し、先進的な授業実践に取り組んでおり、小学校、中学校という異なる校種、異なる地域の学校が、同じコンテンポラリー・アートの展覧会の鑑賞活動からインスパイアされた美術の学習活動いついて、その成果と課題について報告が行われました。
日本からは、幼稚園でのこどもの日常生活や遊びの中にある造形遊びに着目し、こどもの姿を捉えた記録に基づきながら保育者がいかにこどもに寄り添い共感していけば良いか考えながら取り組んだ実践についての報告が行われました。
小学校では、知識・技能、とりわけ技能の習得中心の授業から脱却し、教えることでうまくいくのではなく、材と子どもが対話する中で心が動き、育って行く過程こそが図画工作科の教科特性なのだという実践研究が報告されました。
これらの日台共通する側面と、それぞれ異なる点について交流が行われ、今後の課題について、全国各地から集まった参加者も交えた積極的な議論が展開されました。
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次回は台湾で開催!
昨年開催された第1回に引き続き行われた本研究交流会は、日台の美術教育を基盤に、創造性教育の視点から少なからぬインパクトを与えるものでありました。今回の会議において、引き続き第3回の開催が約束されましたが、その開催地は台湾、開催時期は2025年12月26日となりました。