本学の村上凡子教授が「現代保育の理論と実践Ⅱ」という書物において、「乳幼児期における共感性発言場面の分析―「心の理論」との関連性から」というタイトルの章を分担執筆しました。共感性は、多様な人々との対人関係を築くうえで重要な能力であり、自分と他者との区別に基づいて、他者の感情や情動を認知する能力であるといえます(Decety,2010)。内面に生じた共感性が他者のためになるような行動として表現されるためには、「心の理論」の能力が必要です。本稿では、2歳児、4歳児の自由保育場面の動画を対象として、子どもの内面に共感性が生じ、他者への行動として表現される場面を「心の理論」の考え方に照らして、論述を展開しています。